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2021-10-22

スタジオの壁を塗りました

床張りの際にもうひとつリノベーションしたのは、もともとあった襖(ふすま)を取り外し、そこに壁を作ったこと。角材で何本か支柱を組み、石膏ボードを取り付けました。一昨日から昨日にかけて、そこにペンキで色を塗りました。

選んだ色は赤。でもただの赤色ではなく、深紅の色にしたくて、ペンキを混ぜてこの色を作った。
ペンキにローラーを浸し、壁の真ん中から塗り始めた。端から端まで、きれいに塗ったつもりだった。これでよし、とペンキを片付けた。
でも乾いてから見ると、無造作に転がしたローラーのあとが残っていて、近づいた時の色のムラが気になった。どうしようかな、もうペンキ片付けちゃったし、少し余った混ぜた色のペンキは、空になった赤のペンキの缶に戻してしまった。残ったペンキを塗り直しても、缶に残った原液が混じっているから微妙に色が変わってきそうだなと思い、早くに片付けたことを少し後悔しながら、また明日考えようと寝床についた。
翌日、塗った壁を改めて眺めて、やっぱりムラのところが気になったのでペンキの缶を開け、小さな筆で塗り直してみた。そしたら、細い線で塗った赤が焔のように見えてきて、塗りながら、これでいいのかも、と思い始めた。同時に、「ムラなく、均一に」ということにこだわっていた自分が見えてきた。筆で自由に描いている方がいろんなイメージが膨らんできて、身体の奥から力がみなぎってくるような感覚があった。ほんとうはおれ、こっちの方をやりたかったんだな。
ここのところ自分の中で痛み、ということがテーマになっていてしばらく考えていた。そんな時、子どもの頃のある体験を思い出した。いまやっていることは、あの頃の自分が願ったことなのかもしれないなと、文章を書きながら思った。

Letter 29 「自分の痛みに触れる 創造への入り口」

Letter 29 自分の痛みに触れる 創造への入り口