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2020-02-28

Letter 19 Session 自分への手紙 15〜18才の自分

16才の僕より、30才の僕へ
僕、自分のことがよくわからなくなってきた。これからどこに行けばいいのか、何がしたいのか、わからない。八方塞がりに感じるんだ。僕を助けて。どうすればあなたがいまいる場所に辿り着けるのかおしえて。僕を導いてください。

<現在の僕から、あの日の僕へ> 15〜18才の僕
何に打ち込んだらいいのか、毎日に何の意味があるのか、いまのきみにはてんでわからなくなっているね。ほんとうは何かに熱中することを求めている。だから部活に打ち込む同級生たちを見てうらやましく思い、時間だけが過ぎていくことに焦燥感があるんだね。カラオケに行って時間を持て余したり、放課後あてもなく街をぶらぶらしたり、デパートのフードコートで友達と話したり、女の子と付き合ってみたり・・・ でもなんだかどれもたのしくない。表面では笑って平気な顔をしているけど、どこか虚しさを感じている。そうだね?
心の角度を少し変えてみたら、見えてくることがある。あたらしいものや、よりよいもの、ドキドキ、ワクワクするものを探しに遠くに行く必要はないんだ。それは何かのきっかけになるかもしれないけど・・・ 冷静になって、感覚を研ぎ澄ませてみてごらん。自分はほんとうには何が欲しいのか、思いを巡らしてみてごらん。それは意外に身近なところに転がっているかもしれないよ。どんなに遠くへ行っても——結局はここに帰ってくるんだ。自分自身にね。自分が欲しがっているものに、自分が願っていることに。
あぁ、きみがほんとうに満たされていたなら。自分がすきなことに素直に熱中できていたなら、そんな風に目を虚ろにして街をさまようこともなかったろうに。そんな風に自分を足りないものと感じて着飾ったり、カッコよくあろうとすることもなかったろうに。

きみのあるがままがうつくしいよ。どんなにえらい人でも、すぐれた人でも、あるがままのきみの輝きに勝るものはないよ。これ以上自分をよく見せようとしたり、がんばる必要はない。きみが心を落ち着けられるもの、心から夢中になれるもの、これが自分だと感じられるものを見つけて、ただそれを楽しんでほしい。きみを愛しているよ。