2022-06-21
「夏至の詩」
虫の音がひそやかに響きわたる夜
星は巡りて、
草は露に濡れていく
高く昇った月を仰ぎ見た日から
昼と夜の境を何度渡っただろう
願いを胸に秘めて
本を手にとって
浅い眠りの中でわたしは夢を見る
川は流れて
雨が降り注ぎ
花が咲いては
実を結ぶ
すべてのものが移ろうなか
わたしはこうして世界を見つめている
心のまま未来へ歩みたいのに
もう少しこの場所に
とどまっていたいの
そっと瞳をとじて
耳を澄ませば
いつかのわたしがほら
まだ呼吸している
“何がどうあってもいい”
今日という日を
このように生きること
選んだのはわたし
生まれてきた意味
胸の奥で
ほんとうに望んでいることは何?
まだ目覚めないこの魂を
太陽よ 揺り起こして
正午の静寂(しじま)のなか
道が現れる
わたしの心と身体よ
どうか
ひとつになって